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吉野オフラインキャンプが開催されました

2023107-9日の3日間で、奈良県の吉野宮滝野外学校で「吉野オフラインキャンプ 2023」が行われました。

毎年8月に県立いえしま自然体験センターで行われるオフラインキャンプが、今年は初めて「山」の吉野でも開催されました。

神戸大学デジタル精神医学部門の曽良一郎先生、KDDI財団、吉野宮滝野外学校を運営するNOSの方々の協力のもと開催され、9人の中学生・高校生が参加してくれました。

 

オフラインキャンプでは、

1.自身のネットの使い方について考える

2.自然と触れ合う

3.共同作業を通して人との関わり合いを学ぶ

をテーマとしています。また、一人の参加者に対して一人の大学生メンターがつきます。参加した子たち同士で協力する時や、ネットについて考えてもらう時のきっかけ作りをするのが大学生メンターです。

 

テーマの1つ目について、

竹内和雄先生の授業を通して、現在の使い方やネットの良いところ・悪いところについて意見交流しました。ネットの依存度が大きい参加者や依存を経験した参加者が多く、お互いの意見について納得・共感している様子で、とても深い学びにつながる時間でした。また、参加者と大学生メンターが11で話し合う時間が設けられています。ネットの使い方はもちろん、1日のふりかえり・キャンプの感想、趣味や好きなことについて語り合います。信頼関係を築きながら参加した本人の今後について一緒に考える時間は、大学生メンター自身も多様な価値観に触れる非常に有意義な時間でした。

 

テーマの2つ目について

今回は自然の「山」に関するプログラムがたくさんありました。

1日目は吉野川の分流である喜佐谷川で鮎つかみ

2日目は近くの農園でさつまいもの芋掘りやゴーヤ・なす・万願寺獅子唐辛子の収穫

をしました。獲った魚やさつまいも、野菜をその日の間に料理して食べることを体験しました。自然に触れるプログラムを通して、参加した子の楽しそうな笑顔がとても印象に残っています。普段は体験できない非日常が、私たちの童心を呼び起こしてくれているような感覚がありました。キャンプの醍醐味を体験する貴重な機会でした。

 

そしてテーマの3つ目として

参加した子や大学生メンター同士の関係性を築き上げるトレーニング「HRTHuman Relationships Training)アクティビティ」を行いました。指導者のもと、協同ゲームを通して声掛けや行動力について学ぶトレーニングです。周りの状況を判断し、相手の気持ちに寄り添いながら自分のできる最善を尽くすことが求められます。最初は緊張した雰囲気が伝わってくるほどでしたが、回を重ねるごとにお互いへの理解が進み、最後には参加者同士で尊重しあいながらゲームをクリアしていました。参加者一人一人の成長の瞬間をたくさん見つけられる素晴らしい時間でした。

 

また、キャンプでは自分たちで協力して料理します。

1日目は、焼きそば、カレーライス、鮎の塩焼き

2日目は、カートンドッグ、焼き芋、天ぷら、バーベキュー、鶏の丸焼き

最終日は、卵料理、鶏丼、天ぷら(好評につき2回目)

でした。食事が非常に豪華であること、そして自分たちで作った料理だからこそ、より一層おいしく感じました。

 

大学生ファシリテーターとして参加した子と関わっていく中で、皆それぞれが少しずつ「自分」に挑戦していたのがとても印象的です。日を重ねる度に、参加した子同士でも声掛けや思いやりが、言葉として形になっていました。3日間という短い間でしたが、キャンプによる協同関係が人を強くしていると実感しました。

1月には、キャンプ最終日に立てた目標について経過報告をするフォローアップキャンプがあります。どんな経過報告をしてもらえるかとても楽しみです。

 


『参加した大学生メンターの声』

 

たくさんのプログラムや体験・協同作業を通して、参加した子の笑顔が増えていったことが、何よりも嬉しいことでした。そして、参加した子それぞれが自分の苦手なことに挑戦する様子や、自己を表現している様子はとても輝いて見えました。

自分の気持ちや意見を伝えてもよいと思える居場所はとても大切だと、感じています。参加した子たちが、少しでも自分の良さに気づいて、ふと思い出した時に前向きな記憶がよみがえるような体験になっていたら、という想いで取り組んでいました。その想いが伝わっていたらこれほど喜ばしいことはないと思います。1月のフォローアップキャンプで参加した子とまた会える日がとても待ち遠しいですし、どんな報告でも伝えに来てもらえるだけで嬉しいです。

 

【担当】HP部 島方悠多