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【研究】自粛期間における青少年のネット利用と心理面の変化について


 COVID-19の拡大は、私たちの生活様式に様々な変化をもたらしました。2020年4月から7月の「自粛期間」には、ほとんどの社会活動が今まで通り行えない状況になりました。これは青少年にも同様であり、教育機関の臨時休業や対面授業の中止など特に「学習」の面で大きな影響をうけてました。そしてこの影響が、青少年のインターネットの利用状況などにも変化をもたらしていました。

 

 私たちは2020年6月から7月にかけて中学生から社会人を対象に、ネット利用と心理面・体調面の変化の関係を調べるために調査を行いました。この記事では、調査からわかった自粛期間の影響について簡潔にまとめます。

 

 まず、インターネットの利用時間についてどの年齢層でも8割以上の人が、自粛期間で増加したと回答しました。外出自粛がネット利用を増加させたと考えられます。新しい生活様式のなかでインターネットの存在感が大きくなったことは、社会全体が感じていることではないでしょうか。

 

 また、教育機関のオンライン授業についても考察しました。調査の結果、オンライン授業があったことによって、登校できない青少年の学業面の不安は軽減されたとわかりました。ただし、オンライン授業を受けた青少年のほうが、COVID-19への不安が大きいことや期間中体調不良になりやすいことが、同時にわかりました。オンライン授業にも課題が残されていることが明らかになりました。

 

 インターネットをもはや生活から切り離すことはできません。COVID-19のように、インターネットと向き合って共存していくことが求められています。しかし、青少年だけで共存を考えることは困難です。保護者はもちろん、学校の先生や関連企業・行政が、ネットへの共存方法を「与える・示す」のではなく、「ともに創り上げる」ことが必要ではないでしょうか。実際に青少年はこうしたことを大人に求めています。社会全体で今こそ動かなければならないのです。

 

詳しいデータや内容については、巻末のPDFを参照ください。

 

【執筆】琴川雄史(2年生)・辻川想(2年生)

 

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コロナ禍におけるネット利用と青少年の変化について(1).pdf
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