ソーシャルメディア研究会では、「Twitterパトロール」という取り組みを兵庫県警察と行っています。
このTwitterパトロールを通して、様々なことが見えてきました。
〈現状〉
・パパ活*募集が少なくなってきたが、募集している子はまだ0ではない
これは以前からTwitterパトロールに関わってきたメンバーを中心に感じていることです。コロナ禍において遠くに行くことが難しいこと、そしてTwitterパトロールの取り組みが広まったことによって、パパ活が減ってきたように感じます。しかし、パパ活募集をしている子がいなくなったわけではありません。ツイート(Twitterの投稿)ではなくDM(ダイレクトメッセージ)でのやり取りやTwitter以外での募集に変わってきていると考えられます。
・パパ活募集以外にも、下着販売やわいせつな動画販売を行っている子がいる
コロナ禍で外出が困難になったからか、パパ活募集以外にも下着や動画販売が増えているように感じます。下着の写真やわいせつな動画・写真をツイートに載せて販売をしていることが多いです。中には、信用獲得のために「販売実績」を残している子もいます。このような状況を非常に残念に思います。
〈パパ活などをしている子どもたちについて〉
・お金に困っている子が多い
パパ活募集などをしている子の中には「お金がないです」「お金をください」というツイートが見られます。お金がない→パパ活などでお金を得る、というループに陥っていると考えられます。貧困問題が絡んでいるともいえるので、この問題は一筋縄ではいきません。
・問題を抱えてる子が多い
同じくパパ活募集などをしている子の中には「居場所がない」「さみしい」というツイートが見られます。現実に居場所がなかったり、認めてもらえなかったりしていると考えられます。そのような感情から、承認欲求を満たすためにパパ活などを行っているのではないかとも考えられます。現実に居場所を作ることによって解決ができないかと感じます。
Twitterパトロールをしていて、なぜ知らない人にためらいもなく自身の裸体を見せることができるのか、不思議でたまりません。しかし、そうしなければいけない事情や感情があるのではないかと思うと何とかならないのかと感じます。
「パパ活をしている子がすべて悪い」とは言えません。私もこの活動を始めるまでは「知識のない子がお金欲しさにやっているだけ」としか考えていませんでした。しかしTwitterパトロールをしていく中で、「知識がないだけ」「お金が欲しいだけ」ではないと気づかされました。彼ら彼女らはがそれぞれ抱える問題があり、解決方法が分からなくなってパパ活などをしていると感じます。
そして、パパ活などをしている子ばかり責めるのは違うことだとも気づかされました。
その子たちにお金を渡して時間や写真を買う人たちは?
パパ活などの行動がその後どのような影響を与えるか教えていない大人たちは?
貧困や子どもたちの承認欲求を解決できない現実は?
そして、このような子どもたちの現状を知らない私たちは?
彼ら彼女らを責める前に、どのような問題を抱えているのか耳を傾けて解決していくべきと感じています。
しかしながら、具体的な解決策を立てて動くには多くの壁があります。このページを通じて子どもたちの現状を一人でも多くの人に知ってもらうことが、問題解決への一歩になればと思います。
最後になりましたが、活動に協力していただいている兵庫県警察の方々にお礼申し上げます。
ここまで読んでいただきましてありがとうございます。
【執筆】小林えみ(3回生)
*パパ活とは、子どもたちが男性と一緒の時間を過ごし対価として金銭を得る活動のことを指します。初めは飲食を共にする事などからはじまり、中には性被害にまで発展する場合もあります。